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ウェブアクセシビリティの今後高まる重要性:2024年4月に義務化される基準
2023.07.20 ウェブアクセシビリティ
目次
ウェブアクセシビリティは、障害を持つ方や高齢者など、多様なユーザーがインターネットやウェブサイトを利用しやすくするための重要な基準です。
日本では、国際的な規格であるWCAG 2.0と合わせJIS X 8341-3:2016が制定、障害者差別解消法など法律的な要件もあり、ウェブアクセシビリティに対する関心と取り組みが高まっています。
ウェブアクセシビリティとは?
ウェブアクセシビリティは、ウェブサイトやアプリケーションが、身体的、知的、感覚的な障害を持つユーザーや高齢者、一時的な障害を抱えるユーザーなど、すべての人が平等に情報にアクセスできるようにするための指針です。これには、視覚的な要件だけでなく、キーボード操作や音声読み上げなどの補助技術に対応することも含まれます。
JIS X 8341-3:2016による基準
JIS X 8341-3:2016は、情報通信における障害者等の利用を円滑にするためのウェブコンテンツのアクセシビリティ指針を定める日本工業規格です。この規格は、ウェブコンテンツのアクセシビリティに関する3詳細な要件を示しており、ウェブ開発者や企業がこれに準拠することで、より包括的なユーザー層に対応できるウェブサイトを構築できるよう支援しています。
2024年4月に義務化される法改正
2024年4月1日から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が改正され、これまで企業や団体では努力義務の位置付けであった障害をもった方への「合理的配慮」が法的義務となります。
JIS X 8341-3:2016に基づくウェブアクセシビリティの新たな基準が義務化される予定です。これにより、公共機関や大企業などは、ウェブサイトやアプリケーションの開発・運用に際して、より厳格なアクセシビリティ基準への適合が求められることとなります。
総務省の役割
日本では、総務省がウェブアクセシビリティに関する基準や指針を策定・推進しています。総務省は、障害者の社会参加の促進や情報格差の解消を目指し、ウェブアクセシビリティの向上に力を入れています。
その一環として、「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」の公表や「みんなのアクセシビリティ評価ツール(miChecker(エムアイチェッカー))」の開発、定期的な調査を実施しています。
miCheckerの活用
ウェブアクセシビリティの向上を支援するツールとして、miChecker(エムアイチェッカー)があります。
miCheckerは、ウェブサイトのアクセシビリティを自動的にチェックして問題を洗い出し、改善のための助言を与えるツールです。これにより、開発者やデザイナーは手動でのチェック作業を補完し、より効率的にアクセシビリティ対応を行うことが可能となります。
コントラスト比4.5:1の重要性
ウェブアクセシビリティの向上に欠かせない要素の一つが、コントラスト比の遵守です。コントラスト比4.5:1は、テキストとその背景の色の対比を指します。視覚的な障害を持つ人々や色覚異常のユーザーにとって、適切なコントラスト比があることは、文字の読みやすさや情報の理解に大きく影響します。
アメリカでは訴訟問題
アメリカでは、ウェブアクセシビリティに対する訴訟問題が増加しています。米国障害者差別法(ADA)に基づき、ウェブサイトやアプリケーションが障害者に対して不適切なアクセシビリティを提供しているとして訴訟を起こすケースが増えています。これにより、企業はウェブアクセシビリティへの対応を急務として捉えるようになってきています。
まとめ
ウェブアクセシビリティは、社会的包摂の重要な要素であり、障害を持つ人々や高齢者など、多様なユーザーがインターネットを利用できるようにするために取り組むべき重要な課題です。
「障害者差別解消法」には罰則規定はありませんが、アメリカでは訴訟問題に発展しており、日本でもその重要性がますます上がるものと思われます。
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